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夢を見ていよう。何時か醒める其の時まで。 (TW3「エンドブレイカー!!」で活動しているキャラクターと、その後ろががやがやと活動するところです。 間違えてきてしまった方は、回れ右を推薦します)
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 このブログのイラストは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW1:無限のファンタジア』『TW3:
エンドブレイカー』用のイラストとして、背後が作成を依頼したものです。
 イラストの使用権は発注した背後に、著作権はイラストマスターに、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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 ひらり、ひらり、と。
 揺らみ、落ちていく桜を見つめる。

 家の近くにあった、大きな一本の桜の木。
 あれが、幼い私の中にある、唯一の桜の花の記憶でした。






「――・・・・・」
 春の暖かい風が吹き、其の度ごとに花を揺らし、そして花弁を落とす桜。
 私の髪が少しだけ揺らいだ其の時に、一体どれだけの花弁が堕ちたのだろうか。
 庭から出れば分かったけれど、私は其れを拒んだ。
 会いたくなかった。
 姉以外の、誰とも。


 姉と二人で暮らし始めて、数年の年月が流れていた。
 私は忙しい姉に代わって、家事をするようになった。けれど、買い物などは仕事帰りの姉の役割だった。本当はお姉ちゃんに負担を増やしたくは無かったけれど。・・・・だけど、私は怖かった。
 怖がらないで良い、其の影に、脅えていた。
 今から思えば、かなりばかばかしい。
 けれど、当時の私には死活問題だったのだ。
 今でもたまに、夢で見る――此のときの私は、瞼を閉じただけではっきり思い出せた――叔父や叔母の激しい視線。
 口からあふれる言葉。
 振り翳された手、其処に握られていたもの――
 其れでも、其れは過去の話で。
 姉が、私を護ってくれていた。
 そして、私は其れを知って姉に甘えていた。


 其処まで思い返して、私は苦々しい気分になる。
 ふと、桜の花弁が、私の目の前まで舞って――


 そして、堕ちた。


「・・・・・・・・・・・・・」
 何も言わず、ただ、視線だけを下に向ける。
 まだ綺麗なままの、花弁が、一枚。其処にはあった。
 だけど。
 私は、無言で其の花弁を踏んだ。
 足を上げると、其処にはもう、無残な姿になった――桜の残骸が、あった。
 其れを見つめた。
 見つめ続けた。



 咲かない時は誰にも見て貰えない。
 一時しか咲かない時期に、見られて、そして散り際が潔い、と褒められる。
 そして、其の美しく潔い散り際が終わると、後は、ただ、ごみとなるだけだった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 見つめた。
 自分が踏みつけたものを。
 ただ、じっと。
 見つめ続けた。


 其の間にも桜は散る。
 花の一生は、直ぐに終わる。
 風に吹かれて、消えて逝く。



 其れを気にせずに、私はじっと、堕ちた桜の花弁を、見つめていた。

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