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私の存在は、きっと小さすぎて。
貴女の、貴方の、救いにはきっとなれない。
其れでも――
小さく、小さく響くは子守唄。
唄うのは、久々だった。
幼い頃、姉が良く唄って聞かせてくれていた子守唄。
何処にでもあるような、其の旋律を自らの声で奏でているだけで、少しだけ気分が落ち着く。
あの頃と、同じように自分の部屋の隅で横になり、着物に皺が寄り、髪が乱れるのも気にせずに其の体勢で唄う。
(私では、きっと・・・力に、成れないだろうけれど・・・)
其れでも、変わらずに此処に居たかった。
此処で、笑顔で居たかった。
笑顔が伝わると・・・感染するというのなら。
せめて、笑顔で居たかった。
きっと、ひどく傲慢な願い。
私は何時もそうだ、と苦笑した。
愛する人、一人傷つけない事が出来なくて。きっと・・・迷惑をかけて、今もまだ、傷つけている。
其れでも、愛して傍に居たいけれど。
其の我侭を聞いてくれる、彼を心から愛しているけれど。
・・・私は、一番大切な・・・最愛の人を護るどころか、傷つける事しか出来ないのか、と失望したのを、覚えている。
今は・・・大切な仲間達の助けに、きっと成れない。
其れでも。
「私は・・・・。・・・・私は、此処に居ますから」
願いのように呟くと。
瞳を閉じる。