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自室の机を前にして、スズカは軽く息を吐いた。
自分の傲慢さに腹が立つ。
其れでも、
(其れでも、私は――)
故郷から持ってきた、低い位置の机。
其処に載る、小さな箱。
お店で見つけてあまりに綺麗で――
あまりに、愛おしい人に似ていて。
買ってしまった。
一緒にすごせるのでしたら、此れを贈りましょう、何て能天気な事を考えて。
・・・そして、今、自分の所為で其れが遠ざかる。
「・・・・・・・・・・」
箱を手に取り、ぺたん、と座り込んだ。
きつくきつく瞼を閉じて。
「そばに、いて・・・・」
掠れたような、声。
そして、自嘲気味に微笑んで――
瞼から、雫が一粒。
零れ落ちる。
彼がくれた、彼が作った彼の小さなぬいぐるみに手を伸ばして、強く強く抱きしめた。
離れてしまわぬよう、強く。
嗚呼。
情けない。
(私は此れほどまでに、)
依存を、していた。
理解をして、目をあけて――
そして、閉じた。
――後に広がるは、無言の圧力。
ただ、其れだけだった。