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季節はずれの桜が散る。
ふわり。
ふわり、と。
癒すべき相手は居ない。
其れでも、桜花演舞を舞う。
招来された桜の花弁を纏って、舞い続ける。
「――ぁっ」
必死になって踊っていたら、注意力が散漫していた――否、いつもしているが。
自分の足に見事に引っかかって転んだ。
「・・・・ぁぅー」
人気の無い空き地にわざわざ出向いた為に、誰にも見られては居ない。別に転ぶのを見られるの自体は慣れている。呆れるくらいに転んでいるのだから。
ただ。
「――・・・・」
ため息をついて、起き上がる。ぱんぱん、と軽く着物を手で払う。
膝に僅かな痛みを感じる。どうやら、すりむいたらしい。
嗚呼、怪我したんだな。
そんな事をぼんやりと考えていた。そして、それだけで、大して怪我に関心は沸いて来ない。
扇を構えなおす。息を吸って吐いて、また舞い踊る。
長く伸びた琥珀色の髪が踊る。
着物の袖も舞う。舞う。
桜が呼び出され、共に舞ってくれる。
時々。ふとした瞬間に。
どうしようもなく、不安になる。