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数日前から、ずっと悩んでいた。
何をあげたら喜ぶかな。
今までも何度か贈り物した事はあるけど、でも……
男の人の好み、良く分かってないなぁ。
そうやって、ちょっと本気で落ち込んだ。
でも……、
大切な人だから。
だから、
「……うん、こんな感じでいいかな」
綺麗に包装した箱を見て、小首を傾げる。
正直、自分でもこういうのはどうなんだろう、とは思うけど……
(戦闘に向かないから、他のものを……あの人に害するもの、斬ってくれないかな)
そんな願いをこめたお守、だ。
刻んだ言葉は、
(薄いから気付かないだろうなぁ)
其れで良い。
そう思う。
正直、何時も言っている事だが、改めて言うとなると気恥ずかしいものなのだから。
微笑んで、リボンを巻いた箱を撫でた。
「有り難う――……」
口が、無意識に動いていた。
何に対しての、有り難うか。
思い当たる節はたくさんある。
私を選んでくれて。
私を必要としてくれて。
――嗚呼、自分の事ばかり、と苦笑した。
其れでも、想いを続ける。
私の、隣に居てくれて。
此処に居てくれて。
笑顔で居てくれて。
――そして、何より。
生まれてきてくれて。
「有り難う――……」
小声で呟いた後、くす、と笑顔を浮かべて。
其れから、台所へと向かう。
ご馳走を用意しよう、ケーキを焼こう。
お仕事で疲れてるだろうから、其れを少しでも癒せるように。
そして、告げれるように。
今、此処に生きて、笑ってくれている。
貴方の隣に居られて、私は幸せです、と。