今日はたまたま、家でひとりだった。
適当に家事をして、繕い物をして。
「・・・・・・・・ふぅ」
寝間着として使っている、白い木綿の着物。綻んだ部分を直すと、スズカは小さく息を吐いた。
「・・・・早く誰か、帰ってこないかな」
小さくつぶやいた。
いつも通りの家。
いつも通りの日々。
・・・其の筈。
「なのに」
握ったまま自分の手にある着物に目を落とす。本当は、其れを見てはいないけれど。
「私・・・・」
本当は。
全部、私の態度か。
こんなだから。
いつも、いつも。
優柔不断で。
唇を噛み締める。
ひとりだけいつも通りの生活を送ってそのくせ原因は全部私が作って。
「何、やってるんだろ・・・・。・・・って、ぁ」
針を手にしたままだった。
自分の指にさしてしまって反射的に手を引く。
「嗚呼、もう・・・・」
ため息をついて、針を針山に戻す。
どうして
私はいつも
「――・・・・・」
ぐっと唇を噛み締めて。
独りの時間何て、早く過ぎてなくなってしまえ、とそう思って。
――そんな自分が、とても我侭なのに気づいて。
目を閉じた。
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