・・・ふぅ
(何やら封筒が置いてある。重石のように、紅色の硝子のスプーンが置いてある)
『届かないのを前提にして、手紙を書きます。
貴女に言葉を全部伝えようと思うと、きっと泣いてしまうでしょう。
だから、文にして、全部言おうと思います。
・・・言葉が悪かったかな。
ありがとう。
何より、その言葉を伝えたいです。
親友と呼んでくれて。親友と呼ばせてくれて。
嬉しかった。
嬉しかったよ。
貴女は私を優しいと言ってくれたけど、私は優しくないんだよ?
唯、ね?
楽しかったなかで、たった一つ負の感情を抱いたというのなら、きっと。
貴女をねたましいくらいに憧れた事。
貴女には告げまいと思ったけど。
凄く、ね?憧れたんだよ。明るくて、優しくて。前向きで、強くって。
うわべだけの、私とは絶対違うもの・・・
でも、すぐにそれより親愛の情の方が大きくなったけど
幸せ祈ってくれてありがとう。
ありがとう・・・・
それと、ごめんなさい。
元気でね?
体調には気をつけてね?
私の我侭です。
忘れません。
でも、貴女はどうか忘れて下さいね。
・・・・寂しくなったらいつでも戻ってきて、いいからね?
さよならは、嫌いだから。
またね。
大好きで大切な親友へ
最大級の友情をこめて―――スズカ・クラハシ』
(重石のようなスプーンをどかして、それを抱きしめて。
手紙を大事に机の引き出しにしまいこんだ)
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